まず受け入れる、そして変える、という考え方について

図書館で借りてきた本「自己評価メソッド―自分とうまくつきあうための心理学」(クリストフ・アンドレ著、紀伊国屋書店刊)を今読んでます。まだ、第一部の「自己評価を理解する」を読んだところですが、なるほどと思うことの多い本です。

第5章「自己評価は自分を受け入れることから始まる」にこんな一節があります。

だが、心理学的に言えば、「自分に対する不満が変わる動機になる」というのは間違いである。内面の変化=成長というのは、<学習と訓練=新しいものの見方や行動の仕方を学び、身につけること>と<発見=自分の問題の本当の意味を理解すること>があって、初めて可能になるのだ。自分に対する<不満>や<苛立ち>は変化=成長のために有益ではない。

僕はこの一節を読んで、会社で組織の改善・改革のために行われている取り組みのことを考えていました。組織への不満が改善の動機になる、というのはよくあります。しかし、そこから上手く脱却しないと、やがて停滞してしまうという気もしていました。ひょっとしたら組織・集団の場合もこの本にあるように、不満に立脚するのはあまり得策ではないかもしれません。不満ではなく、まずそれをありのままに受け入れ、その上で変えていく。そういうアプローチを心がけるべきなのかもしれません。

また、ソフトウェア開発の環境でも同じかもしれません。現状のマネジメントや採用しているプロセス・ルール等に対して、不満から代替を求めるのではなく、これもまた、受け入れ、そして変えていく。そうであればこそ、変化していくことができるのかもしれません。

そんなことを思いながら、読み進めています。