絶望からの心の安静

しつこいようだけど、「トヨタのカタ」。トヨタ方式のツールや技法は究明されているのに、なぜ他社は本家のような効果を上げられないか。それは、トヨタ方式を支える価値観を真に理解していない(ためにツールや技法を有効活用できない)から。本家はカイゼンのカタ、コーチングのカタといった行動様式の徹底を通じて、価値観、原則を徹底している。それをずっと続け、業績も上げ続けている、成功体験がリターンされているので、本家の社員はそれらを疑わず(=ムダがない)、従ってツールや技法を有効活用できる好循環。という大きな違いがある。と。ある程度以上の規模と歴史がある企業では、ツールや技法を取り入れるだけでも多大な抵抗があるのに、ましてや価値観を変え、思考様式、行動様式を徹底して変えるなど、正直想像すらできぬ。そういう意味で、「トヨタのカタ」は僕が今まで読んだトヨタ式やリーン関連の書籍のなかで、もっとも絶望的な本です。
そこから、自分が勤める会社の社員が結果的に共有している価値観、結果的に反復している思考様式、行動様式はなんだろうかと考える。すると、あー、ちょっとはばかられるので具体的には書きませんが、まあ、ありますねと。これについて考えるとホント忸怩たる思いなんだけど、まあ、過去と他人と大企業は変えられないので、コツコツ自分のできることだけをやるだけさ、と思うわけですが、そんなことを考えているうちに、会社の人のやることに対して「なんでそうなんだおかしいと思わないのか頭悪いなバカヤロウ」とか思わなくなりました。ああいう価値観、思考様式、行動様式を反復徹底している人たちなので、別に意外性ないわ、そうなんだろうね、彼らを責めても伝わらないし効果もないし始まらない、彼らのプライドを傷つけないように、ものごとが少しでもうまくいくようにするにはどうしようかな、と思うようになりました。そういう意味でストレスが減り、最近僕はわりと元気です。