名古屋アジャイル図書館「要件定義本」ブックトーク会

名古屋アジャイル図書館ブックトーク会というのは、名古屋アジャイル勉強会というグループが主催している読書会で、毎回のテーマに則した本をスタッフが用意するので(一般の参加者が持ち込んでいただくのも大歓迎ですが)、そのなかから一冊を選び、15分程読んでみて、その感想を各自説明して、意見交換したり質疑応答したりして共有する、というのを2回行う、というイベントです。
課題図書を決めてそれを輪読するとか、読んできたまとめを発表する、といったよくある形式は取っていません。名古屋アジャイル図書館ブックトーク会は、ワンショットで参加でき、短い時間で最大の気づきを得て帰ることを目的に行っています。気に入った本があったら、ぜひ入手して熟読していただきたいですが、その入り口になればいいなって感じですね。

で、今回のテーマは「要件定義」です。僕自身は要件定義に関わったことがなくて、それをテーマにした書籍もほとんど持っていないので、要件定義にも軽く触れているアジャイル開発全体の解説書(入門書)を何冊か持って行きました。

僕が読んだ本の一冊目は「はじめよう!要件定義」(羽生章洋著 技術評論社刊)です。読み始める前の疑問として、何ができていれば要件が定義できたといえるのか?企画、成果物、実現方法、非機能要件等々、すべて決めるには時間がかかりすぎる、というものがありました。この本をざっと(15分ですので走り読みですが)、企画と実装のブリッジが要件定義であり、UI、機能、データの3点セットとそれらを図示した画面遷移図が描けること、とありました。なるほど、それはひとつの答えだと思いました。それらを描ければ先に挙げた多くのことは大筋で決まるでしょうし、改めて詰めていくこともできるのではないかと思いました。ただ、オンプレミスのシステムだとインフラの決定は別途しっかり行わないと調達とかできないんじゃないのかな、と思いました。今どきのクラウドインフラなら、そういうところはなんとでもなるのかな?

もう一冊読んだ本は「リーン顧客開発」(シンディ・アルバレス著 オライリージャパン刊)です。「顧客開発」とはなにか?ビジネスが成立するための大前提について仮説検証を繰り返すアプローチである、とのことです。曰く、顧客とは誰か、顧客の問題やニーズは何か?顧客が進んで購入するソリューションは?その提供方法は?などなど。顧客開発は製品開発を保管するもであり、ビジネスの両輪であるとのことです。顧客開発についてのFAQがP14〜P16に載っていてこれは分かりやすいいい説明でした。この本全体の感想としては、顧客開発の実践方法が詳しく分かりやすく書かれているよい本だと思いました。個人的に残った疑問としては、出資者などに示さなくてはいけないロードマップはどうするのかな?ということです。仮説の根になる大きなビジョンの話だけするのか、現時点での予測を書くのか。
ともかく、「事業部長が承認さえすれば企画としては完璧(なはず)!後は売れようが売れまいが作るだけ!」みたいなのはもう古いというかアカンですよね。

ということで、今まであまり考えたことなかった要件定義ですが、考えるいい機会になりました。次回のテーマはまだ決まってないですけど、7/15(水)の19:00から名古屋市東別院のイーブルなごやで開催することは決まってます。みなさんもよろしかったらご参加ください。