名古屋アジャイル移動図書館「ふりかえり&ファシリテーション」ブックトーク会

以下の二冊を読みました。

ソフトウェア開発を成功させるチームビルディング

「現場リーダーの技術」の加筆改版本とのことです。

序文(平鍋さん寄稿)

今日必要なリーダー象

  • プロジェクトの目的を示す
  • メンバーに役割を与えてチームを作る
  • メンバーの自主性を引き出す

チームはある日突然チームになったりしない。少しずつ、行きつ戻りつしている。手をかけ、その意図があれば、少しずつよいチームになっていく。

第3章 ふりかえり

KPTによるふりかえり

  • 目的を確認。いつ(からいつの期間の)なにをふりかえるのか、共有できていることを確認する。
  • グランドルールを定める。必要なら確認する。
    • 意見の批判は×
    • 個人責任の追及は×
  • 過去の記録を見ながら行なう
    • 過去のKPTボードを継続的に使うのが一般的
  • 付箋紙に一件一葉で書いて、ひとりずつ一枚ずつ発表する。平等な発言権。
  • 署名は不要。適度な匿名性。
  • 似た意見は近くに貼る。同じとみなせるものは重ねる。
  • 共感、同感の表明は歓迎する。
  • 反対意見を歓迎する。
    • 対立する意見については、どちらかを選ぶことよりも、その背景を共有することで知見を深めることを価値とする。
  • 他人のProblemに対するTryを歓迎する

継続は力なり。KPT以外の手法もよし(「アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き」など参考になる)。

カンバン仕事術

カンバン仕事術

カンバン仕事術

「10章 プロセスの改善」を読みました。

ふりかえりの5つのステップ
  1. 場を設定する(目的やルールの確認)
  2. データを収集する(ふりかえる対象の期間のできごとのログやメトリクスなどを用意してレビューする、という意味かと思ったが、そういうことではなく(そういうことをしてもよいが)、ふりかえり対象に関する意見を抽出することを意図している。KPTで言うと、主にKやPを出すこと。)
  3. イデアを出す(分析とTの案出)
  4. 何をすべきか決定する
  5. ふりかえりを終了する(感謝の意の表明、ふりかえりのふりかえり(表明じゃんけんなど))
ふりかえりをいつ行なうか?

タイムボックス開発を行なっているなら、スプリントの終了時。カンバンなら(タイムボックスがないので)、チームにとって自然なサイクルで。具体的には1ないし2週間に一度とか。

カンバンのカタ

カンバンには通奏低音として流れる「カンバンのカタ」がある。カタとは空手とか生け花とかのカタのこと。

  • 日常のカタ:朝会に改善のカタを含める
  • 改善のカタ:プロセス改善の基本のカタ
  • コーチングのカタ:改善にフォーカスした、質問ベースのコーチング技法
  1. 目的はなんですか?
  2. 現状はどうなっていますか?
  3. 問題はなんですか?
  4. どのようなアクションを取りますか?
  5. そのアクションの結果、いつ、どのようになっていますか?

改善は説教でも、失敗や経験不足の指摘(という千尋の谷への突き落とし)でもない。
目的に対する、探索と検証、段階的なアクションの積み重ね、その促進(教育、場作り)である。

と、理解しました。