ネットで見たことに文句を言う記事をネットで見て…。

「CM炎上取り下げ」多発のワケと過剰反応の罠 | インターネット | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

上記記事に対して、違和感や不満を感じたのでこのエントリを書いています。違和感や不満を感じることは生きていればいくらでもあるし、それを反芻したり社会に投げ返しても利が少ないと思いますが、自分の中のもやもやの整理です。

この記事、最近CMの炎上が増えているということを主張しています。しかし、論拠の提示がない。ネットで多いという印象が著者が持っており、それを唯一の論拠にしているように思えます。

また、炎上騒ぎを疑問視する声もまた上がっている、としています。炎上騒ぎ自体に嫌悪感を覚える人も少なくない、という主張につなげているようです。しかし、ネット利用者は多く、さまざまな意見があります。ネット上で、数の大小は抜きにして、賛否両論ないものなんてありえないでしょう。ですので、その主張はなんの意味もなしていなと思います。

記事らしいのはPRコンサルタントにインタビューしているところです。しかし、それ以外は客観的で説得力のある論拠提示はなく、ほぼ著者の感覚的持論の展開でしかないように思います。

今私達は「ネット社会」に生きています。ネット越しに見える、あるいはネットを利用したコンテンツや社会のありよう、それを自分がどう感じ、どうふるまうか。それは現代人として重要なテーマであると思います。

一人ひとりの参加者が全体を把握することはできず、母数はとても多い。個々の人が自分に近いところやたまたま持っているパスからの情報に反応し、それがゆるく影響しあっている。こういうのなんていうんでしょう?複雑系?こういったものを扱う科学的な手法があるのではないでしょうか。

とにかく、「最近のネットに感じること」だけで社会や文化を論じるのはあまりに乱暴です。著者が文中で昨今のネットの特徴であり問題点としている、まさにそれを使ってひとこと言っておくというのは、パロディでもないのなら、やらないほうがいいと思います。

結論:複雑系というもの、その扱い方について、調べてみる。

追記:「最近のネットに感じること」という視点自体は悪くはないです。一人の人間として、自分の感覚を基準に生きるのは普通のことだと思います。ただ、自分視点しかない現代ネット民気質を上から視点で批判的に語るなら、それじゃああんたはどうなのよってなる、って話ですね。