「アジャイル開発者の習慣 ―― acts_as_agile 第ニ回 仕組みを育てる」

Web+DB PRESSの角谷さんの連載「アジャイル開発者の習慣」第二回(Web+DB PRESS Vol.40掲載)を読みました。遅くなりましたが、約束通り感想を。

角谷さんはDave Thomasの講演を引用しながら、アジャイルとは「状況の変化に迅速に対応しながら開発を持続させていくこと」としています。変化に対応しながら開発を持続させていこうという意志がアジャイルということなのでしょうか。アジャイルが、単なる技法・方法論ではなく、人が組織がなにかに取り組むときにその場所に遍在するなにかである、という実感と符合します。

遍在するなにか。それはあちらこちらに、異なる粒度で現れるのでしょうか。 eXtreme Programingの(入門第二版で挙げられている)原則のひとつ「自己相似性」が思い起こされます。角谷さんは例として、継続的インテグレーションと朝会/夕会を同じひとつのパターンとして捉えて解説しています。なんてあざやかに世界は説明されるのでしょう。

そして「育てる」というキーワード。世界の理解を単なる謎解き読みものにしてしまうことは、既に表題において諌められているのでした。育む(はぐくむ)という言葉には、共に歩き共に喜ぶことを旨とする思いがありますよね。

チームで開発プロセスを育むことを言われた僕達は、同じように、ソフトウェア/システムを、作り倒すのではなくて、育むことに自然と思い至ります。ここにまた相似する型によって語られた物語をみるのでした。パターンは言語をなし、システムは生態系となる。僕達は成長への光の指す冒険の旅路をたどっているかのようです。物語の続きが楽しみでなりません。

それにしても、「起立して実施するからスタンドアップミーティング」の写真はいいですね。この写真の真似がしたくて、朝会をやるってのはあるよね、と思うくらい、いいですね。