測る化?

測る化、という言葉をタイトルに含む雑誌記事があり、なんだそんな言葉あるのか?と思ってGoogleで検索したところ、

見える化 約 9,960,000 件
測る化 約 12,100,000 件

見える化よりもヒット件数が多かった。これは僕には意外でした。見える化はかなり普及した言葉だと思っていて、それよりも多くWebにある言葉なのに知らなかったなんて…。

測る化でヒットした記事のトップは以下の記事。

(測る化とは)見える化の限界を測る化で超える、という意味である。(中略)

なぜ、見える化に限界が来たのか。これは、見える化が具体的な手法にまで言及していないからだと思う。見える化とは一般に、見えないもの・見えにくいものを可視化して共有することを指す。これに対して測る化は、見えないもの・見えにくいものを数値で定量化することである。ともに共有した情報を基に、問題の早期発見、迅速な対策につなげるという目的には変わりはない。

両者の最大の違いは、数値で捉えるかどうかである。実はこの差が大きい。つまり見える化の限界とは、定量的ではない表現方法を含んでしまうこと。これを改善して進化させたのが、測る化なのである。

記者の眼 - 「見える化」から「測る化」へ:ITpro

はあ、そうですか。日経SYSTEMS2012年5月号で特集されていたらしい。読んでいるはずですけど、まったく記憶にない。

それにしても、見える化に対する誤解があるように思います。見える化は、現場が自律的に問題の予兆を捉えて対処できるように行なうものです。定量的でない表現だったり、二値だったりするのは、行動に結び付けやすいから。

見える化の上位にあるというなら、見える化のねらいとメリットはちゃんと押さえていただきたい。現場の誰もが自律的にすばやく問題に対処できることが見える化のキモです。測る化ではその点大丈夫ですか?数字が羅列されてるのをみてとっさに現場がラインを止められますかね?

さまざまなメトリクスをさまざまな観点から分析して改善の余地を探るというのは、それはそれで価値ある取り組みだと思います。ただ、見える化とは直交する取り組みなのではないでしょうかね。