説明が必要なのはアジャイルじゃなくて、従来の開発手法の方じゃないだろうか

Agile Japan 2017の社内サテライトイベントに参加しました。そこで考えたことを書きます。これは僕の認知と想像(創造)を書いていることで、検証された事実というわけではないことを先に断っておきます。

  • 組織には長くに渡って執り行ってきた開発手法・ルールがある
  • 知見が蓄積されている
  • ただし全体的に古い傾向
  • 開発実働は外注することが多かったので、外注管理的なマネジメントの知見に偏っている傾向がある
  • 計画通りでないことを発見して、なんとかしてくださいよと注文する、ということはできる
  • 新しいツールや技法をうまく使いこなすための知見があまり含まれていない
  • 理解して実践できるようになるための情報が弱い
  • チェックリストのような形で、形式的には文書化されている
  • だがパターンのような形で、背景や理由まで書き残されているわけではない
  • ウォーターフォールと、それを失敗させないための工夫に関する知見は、よくて組織、たいていは個人に暗黙知として蓄積している
  • それらの共同化、表出化はあまり行われていない
  • 対してアジャイル手法については、解説書やWeb記事などの情報が(少なくともウォーターフォールより)多くある
  • コミュニティーイベントや勉強会などで、経験者と対話して学ぶことも可能
  • 新しいメンバーにとっては、ウォーターフォールはよくわからなくて、アジャイルは(実戦経験はないか少ないにしてもまだ)わかる
  • 中堅メンバーにとっては、ウォーターフォールベースの社内開発手法・ルールは、それなりに共通言語ではあるし使うことはやぶさかではないが、よくわからないところ、冗長だったりもはや古くて無駄に思えるところがあったり、いろいろやりにくいと感じることが多々ある
  • アジャイルで行う方が自然と思われるけれど、会社ではウォーターフォール
  • 社内のアジャイルカンファレンス(講演や事例紹介など)に参加した
  • 社内開発手法・ルールの要件にアジャイルを合わせる方法が、苦労した点やポイントとして語られる
  • 質疑応答で、「この説明を聞いてもなぜアジャイルで品質(あるいは別のなにか)が確保できるのかわからない。ウォーターフォールでよいじゃないか」という(多分古参の人の)発言がでる
  • よくわからなくなる
  • 説明と共有が必要なのは、従来のウォーターフォール型手法とルールなのではないか
  • なんのため、前提や制約はなに、今でも有効なのか、問題点
  • それなしには、続けることだってできない(やりにくい)のではないか